「EU企業結合規制をめぐる最近の動向 ルールの明確化と手続の合理化に向けた当局の取り組み」:競争法チーム
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EU企業結合規制をめぐる最近の動向 ルールの明確化と手続の合理化に向けた当局の取り組み
はじめに
EUにおける企業結合規制は、企業間の競争を維持し、域内市場の機能を確保することを目的とする。しかし、近年、その運用は、従来の市場集中や競争制限の防止にとどまらず、外国政府などによる補助金、安全保障、戦略的産業の強靱性といった政策課題とも密接に関係するようになった。EU域内でM&Aを実施する企業にとっては、欧州委員会による企業結合審査だけでなく、加盟国の競争当局による届出審査、外国補助金規則(Foreign Subsidies Regulation、以下「FSR」という。)に基づく審査、対内直接投資(Foreign Direct Investment、以下「FDI」という。)審査など、複数の規制を横断的に検討する必要性が高まっている。
こうした規制環境の変化は企業にコンプライアンスの負担となり、その軽減のため、欧州委員会、各国の競争当局による届出基準の明確化や手続の合理化も進んでいる。そのため、現在のEUにおけるM&A規制を正確に理解するためには、規制強化や複雑化という一方向の変化だけでなく、審査の効率化と企業の予見可能性を両立させようとする動きにも目を向ける必要がある。
本稿では、AkzoNobelとAxalta Coating Systemsの統合計画、ポーランドの企業結合届出実務の変更、FSRをめぐるEUと中国企業側の対話、そしてKKRによるTelecom Italiaの固定通信網買収に関連する情報提供を取り上げる。これらの事例を通じて、EU企業結合規制の現状と、日本企業を含む海外企業に求められる実務対応を検討する。
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【目次】
はじめに
1. AkzoNobel・Axaltaの統合計画に見る企業結合審査の明確化
2. 正確な情報提供義務
3. 企業結合規制に見る加盟国実務の変化
4. 企業結合規制と外国補助金規制の重層化
5. EU域内直接投資審査規制(FDIスクリーニング)の新たな動向
終わりに
【関連リンク】
- 発行年月
- 2026.11
- 業務分野
- トランザクション関連規制対応(企業結合規制・外国投資規制・外国補助金規制) EU/EU加盟国
- 掲載先
- 著者等