「ドイツ仲裁手続法現代化法案」:ドイツプラクティスチーム
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ドイツ仲裁手続法現代化法案
I. はじめに
2026年6月10日、ドイツ連邦政府(閣議)は「仲裁手続法の現代化に関する法律案 (Gesetz zur Modernisierung des Schiedsverfahrensrechts) 」を決定いたしました。 本法案は、ドイツ民事訴訟法 (ZPO)第10編(仲裁手続に関する規定) を約30年ぶりに実質的に見直すものであり、デジタル化・国際化・透明性の向上という3つの柱を掲げております。ドイツに拠点を置く日系企業、あるいはドイツ企業との契約に仲裁条項を設けている日系企業にとって、本法案は契約実務・紛争解決戦略の両面で影響を及ぼす可能性がございますので、以下、改正の背景・内容・実務上の留意点を詳しくご案内申し上げます。
ドイツの現行仲裁法制は、1997年12月22日の法律によりUNCITRALモデル法を基礎として整備されたものであり、以降大きな改正は行われておりませんでした。改正の検討は2023年4月18日の連邦司法省による論点整理 (Eckpunktepapier)に遡ります。これを踏まえ2024年2月1日に第一次参事官草案が、同年6月26日には政府草案(連邦議会文書20/13257号)が公表され、同年10月17日の第一読会、同年12月4日の法務委員会専門家聴聞会を経ましたが、その後の連邦議会解散・総選挙により、当該法案は成立に至らず廃案 (いわゆる Diskontinuität)となりました。新政権の下、連邦司法大臣シュテファニー・フービヒ氏は2026年1月27日に改めて参事官草案を公表し、意見照会期間(2026年2月27日締切)を経て、2026年6月10日に政府草案として閣議決定するに至りました。今後は連邦議会 (Bundestag) および連邦参議院 (Bundesrat)における審議を経る必要があり、成立時期は現時点では未定です。ドイツ仲裁協会(DIS)は一連の立法過程において意見書を提出するなど積極的に関与しております。
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【目次】
I. はじめに
II. 改正の主なポイント
III. 現行法・改正案の対比表
IV. 実務上の意義: BGH 2025年1月9日決定(I ZB 48/24)
V. 系企業への実務上の示唆
VI. 今後の見通し
【関連リンク】
- 発行年月
- 2026.08
- 業務分野
- ドイツ
- 掲載先
- 著者等