[コラム] 「民訴法学あれこれ #09 弁護士法違反の訴訟代理人の排除」:高橋宏志(顧問)
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弁護士法違反の訴訟代理人の排除
私は、50年以上、民訴法の研究者として過ごしてきた。その間に、民訴法学もずいぶんと変わったということができ、そのいくつかを綴ってみることとする。老爺の語る今は昔、の物語である。
今回は、少し毛色は変わるけれども、弁護士法25条違反の訴訟代理人の排除の問題を採り上げる。弁護士法25条違反といっても、いくつか種類があり異なるので、1項2項の相談した弁護士が相手方に付いた広義の双方代理の場合で考える。すなわち、1項では、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件で、2項では、相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるものにつき、弁護士は職務を行なってはならないと定められている。たとえば、交通事故の不法行為を起こしたとXから申し立てられ苦慮していたYが、どう対応すべきかをA弁護士に相談したとしよう。どのような事故であったか、自分の方の過失として何が考えられるか、相手方にも過失はないか(過失相殺)、賠償額はいくらぐらいと予想されるか等々をA弁護士に相談し、A弁護士から法的アドバイスをもらっていたとしよう。ところが、実際に提訴されたところ、原告Xの訴訟代理人に、そのA弁護士が受任して付いていたとする。Yは、喫驚するであろう。手の内が相手方Xに筒抜けになってしまっているからである。また、弁護士がこういう行動をとることで、司法制度、弁護士制度に対する信頼を失い、怒りさえ覚えるであろう。そこで、弁護士法は、こういう職務活動をしてはならないと規定したのである。
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- 発行年月
- 2026.05
- 掲載先
- 著者等