「日米を中心とした医薬品・医療機器規制の調和と審査迅速化の動き」
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日米を中心とした医薬品・医療機器規制の調和と審査迅速化の動き
医薬品・医療機器規制の国際調和の動きについて概要をまとめるとともに、日米の審査の迅速化の概要を網羅的にまとめました。I はじめに
医薬品・医療機器開発は知識集約型産業であり、高度な専門的知識や技能が必要です。そのため、特に新たな医薬品・医療機器の開発は、先進諸国に集中しています(2022年の医薬品の世界売上高上位100品目について、世界売上高に占める国籍別割合をみると、アメリカが52品目で52%を占め、次いでドイツが8品目で16%、デンマークが8品目で9%、スイスが9品目で8%、イギリスが10品目で6%、日本が7品目で5%と続いています1。2019年における医療機器の国別売上高をみると、アメリカが43.34%、日本が6.98%、ドイツが6.94%、中国が6.85%と続きます2。)。
医薬品・医療機器は、人間の生命・健康に関連する商品であり、その品質、有効性、安全性が政府によって評価・承認されない限り市場に流通しない特殊な商品です。このことから、医薬品・医療機器の販売開始前に政府による評価・承認を行うため、日米欧ではそれぞれが独自に法制度を整備してきました。しかし、品質、有効性、安全性を評価するという基本は共通ですが、承認申請の際の詳細な技術的要件は国や地域により異なっていました。このため、企業が医薬品・医療機器を国際的に展開しようとすれば、各国・各地域の規制要件をそれぞれ個別に満たす必要があり、時間とコストのかかる重複した試験を数多く行わなければなりませんでした。こうした状況を打開し、国境を超えて、必要な患者に安全で有効な新しい医薬品・医療機器をより早く提供するために求められたのが、各国・各地域の承認審査の基準等の合理化・標準化です。現時点で、審査・承認基準等の「共通化」までは達成されていませんが、将来的な方向性としては、可能性が残されているといえます。
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- 発行年月
- 2024.12
- 業務分野
- 医薬品/医療機器/再生医療等製品/医薬部外品/化粧品 北米/中南米
- 掲載先
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ニューズレター
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