「農協が系統外出荷者を含む組合員全員に適正な賦課金を賦課することが直ちに独占禁止法に違反するものではないとされた事例」:食料・農林水産法務プラクティスチーム
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農協が系統外出荷者を含む組合員全員に適正な賦課金を賦課することが直ちに独占禁止法に違反するものではないとされた事例 ~賦課金の活用可能性を探る~
系統外出荷者をめぐる一部の農協(農業協同組合)の対応は、しばしば公取委(公正取引委員会)による排除措置命令や注意の対象となってきたが、今般、当職らは、中部地方のある農協(以下「本農協」という。)による生乳の販売手数料の徴収行為が、組合員が生乳出荷先を自由に選択するインセンティブを阻害するおそれがあるとして公取委による行政調査1の対象となった事案(以下「本事案」という。)に接した2。
本事案は、営農指導事業の経費に充てるため(それまでの販売手数料の徴収に代えて)系統外出荷者を含む組合員全員に賦課金を賦課するとした点で、阿寒農業協同組合に対する注意事例3(以下「阿寒農協事件」という。)と同様であった。しかし、同事件とは結論を異にし、公取委から本農協に対して、上記の賦課金を賦課することが直ちに独占禁止法の違反につながるおそれのあるものとは認められない旨の見解が示され、排除措置命令や注意の公表を回避して調査の終結をみた。
そこで本稿では、本事案が阿寒農協事件と結論を異にした理由を分析するとともに、農協における賦課金制度の活用可能性について探る。
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- 発行年月
- 2024.06
- 業務分野
- 農産品や食品の流通に伴う問題への対応 農林水産業全般 その他当局調査対応 独禁法・競争法コンプライアンス 垂直制限・優越的地位の濫用・協調行為
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ニューズレター
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