「不当廉売関税(AD関税)に係る迂回防止制度の創設」:国際通商チーム
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不当廉売関税(AD関税)に係る迂回防止制度の創設
1. はじめに
アンチ・ダンピング(AD)関税(不当廉売関税)とは、輸出国の国内価格(正常価格)を下回る価格による輸出(ダンピング輸出)が、輸入国の国内産業に実質的な損害等を与えている場合に、その価格差を相殺する追加関税(AD関税)を課すことができる制度である。国内価格を高く設定し、国内市場で得た利益で、輸出価格を安くすることは、不公正な貿易と考えられているからである。WTO協定も、「1994年の関税及び貿易に関する一般協定(GATT1994)」第6条及びアンチ・ダンピング協定(AD協定)に基づき、一定の規律の下に、これを認めている。
さて、2026年3月31日、国会において「関税定率法等の一部を改正する法律」が成立し、翌4月1日より施行された。本改正の目玉の一つが、AD関税に係る迂回防止制度の創設である。
本制度は、AD関税の課税命令に服すべき者が、課税命令の対象から形式的に外れる工作をしつつ、実質的には課税命令前と同等の商業行為を継続する、いわゆる「迂回(Circumvention)」に対して、より迅速な手続でAD関税措置を拡張し、その実効性を確保することを目的とするものである。
本稿では、迂回防止制度の創設に係る立法経緯を踏まえつつ、制度の概要及び手続を解説し、EUの状況から示唆される今後の課題・実務上の留意点を展望する。
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【目次】
1. はじめに2. 背景と経緯
3. 迂回防止制度の概要
4. EUの迂回防止制度からみる日本の今後の課題
5. 輸出入実務への影響と対応
6. おわりに
【関連リンク】
- 発行年月
- 2026.06
- 業務分野
- アンチダンピング/貿易救済
- 掲載先
- 著者等