[コラム] 「知っておきたい「ビジネスと人権」#12 東南アジアにおける人権政策の展開」:入江克典弁護士(パートナー)
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東南アジアにおける人権政策の展開
本稿では、前回までの欧米での規制の解説に続き、日系企業の進出が多いアジアの状況について触れたいと思います。
グローバル企業による人権侵害が世界的に広く認識されたのは、東南アジア・南アジアからでした。1990年代、ベトナムやインドネシアなどで、ナイキ社の仕入れ先による児童労働や劣悪な環境下での強制労働が明らかになりました。世界的な不買キャンペーンの下、同社の評判と株価は下落しました。2013年、バングラデシュで、グローバルアパレル企業の製造を受託していた縫製工場のビル(ラナプラザ)が崩壊し、工場の従業員1100人以上が死亡する事故が起きました。この衝撃がアパレル業界をはじめ多くの業界団体でサプライチェーンにおける人権対応を加速させるきっかけとなりました。2021年、ミャンマーで国軍クーデターによる軍事政権が誕生しました。軍閥企業との関わりなどを通じて人権侵害に加担することがないようにする責任が各企業に対して強く求められています。2022年に国際労働機関(ILO)が公表した統計(Global Estimates of Modern Slavery:Forced Labour and Forced Marriage)によれば、アジア太平洋地域における強制労働の数は、世界全体の半数を超えています。続きはこちらをご覧ください。
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- 発行年月
- 2024.12
- 掲載先
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ニューズレター
※時事速報シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイ、インドネシア、欧州、米国の各版2024年12月4日号より転載
- 著者等