[Vietnam Legal Update]「法人向けVNeIDアカウント登録:DXに伴う企業活動上の留意点」
法人向けVNeIDアカウント登録:DXに伴う企業活動上の留意点
2026.6.23
ベトナム政府が国家デジタルトランスフォーメーション(DX)・プログラムを推進し、電子行政プラットフォームの構築を進めるなか、外資系企業にとっても、法人向け電子認証アカウント(VNeID)の登録は、ベトナム国内の政府機関におけるオンライン手続きを行う上で、徐々に必須の要件となりつつあります。
実際、内務局や各省・市の入国管理局をはじめとする多くの政府機関では、電子記録の認証・受領の方法を、デジタル署名や通常のログインアカウントから、VNeIDへと移行し始めています。 特に、2026年6月以降、国家公共サービスポータル(dichvucong.gov.vn)及びこれと相互に接続された電子システム(国家事業登録ポータル等)上の一部の行政手続きについて、企業は、VNeIDでログインすることが義務付けられています。
法人向けVNeIDは、電子環境における企業の公式な識別情報(ID)と位置付けられます。企業は、このアカウントを通じて、事業登録、投資、労働、社会保険、税務、入国管理をはじめ、国家機関がデジタルプラットフォーム上で国家機関が提供する各種行政手続きを、オンラインで行うことができます。
外資系企業は、投資許可、就労許可(Work Permit)、ビザ、外国人労働者の一時在留許可証(TRC)、投資活動報告をはじめ、数多くのコンプライアンス上の手続きを日常的に行っているため、VNeIDへの登録は、より一層不可欠になっているものといえます。企業がVNeIDを保有していない場合には、オンライン申請手続きが中断されたり、一部ではそもそも手続きを進められなくなったりするおそれがあります。これにより、駐在員等の入国や滞在に重大な支障が生じ得るほか、行政手続きの実施が中断することで、行政違反による制裁を受けるリスクが生じます。
現行の規制上、企業は、法定代表者又は有効な権限を有する者を通じて、VNeIDの登録手続きを行う必要があります。登録に際しては、法人の基本認証情報や代表者情報を提供し、所管官庁の指示に従って本人確認を行うことが求められます。
法的及び業務上のリスク管理の観点から、企業(特に外資系企業)は、自社のVNeIDの登録状況を積極的に確認し、できる限り早期に登録を完了されることを推奨します。同時に、企業は、所管の国家機関からの通知を定期的に確認しつつ、アカウント管理の責任者を明確に指定し、法定代表者又は担当者に変更が生じた際には速やかに情報を更新するなど、アカウントを安全かつ継続的に利用するための社内体制を整備しておく必要があります。
執筆日:2026年6月9日